昨週の脊椎手術は、腰椎椎間板ヘルニアの2例のみでした。内、1例の患者さんは、手術により完全にヘルニア塊を摘出し、神経の圧迫も完全になくなったことを確認して手術を終了したにもかかわらず、術翌日にも依然、術前の下肢痛が残存していました。
手術の翌朝に回診に参りますと、患者さんは、手術が終わったにもかかわらず術前の神経痛が残存していることに、非常に不安な面持ちで、「昨晩は神経痛がまだ残っていて眠れませんでした」、とおっしゃっていました。
しかし、稀にこういうことはあります。神経の腫れが強かった場合には、ヘルニア塊を完全に摘出しても、その神経の腫れが引くまで術後1週間程度は下肢痛が残存することがあります。そのことを十分に説明して、数日で次第に下肢痛が良くなりますよ、とアドバイスしたところ、安心され表情も穏やかになりました。実際、術後数日で下肢痛は軽減してきているようです。