今年も早いものでもう師走ですね。先月もたくさんの手術をさせて頂きました。
そのなかで、稀な病気がたて続けに2人ありました。病名は胸椎椎間板ヘルニアです。通常、椎間板ヘルニアは腰椎が多く、ぐっと頻度が下がって頸椎が続くのですが、胸椎は比較的稀です。その理由は、胸椎は肋骨に囲まれており、あまり動きが少なく安定しており、椎間板への負荷が少ないことが関与しています。私も今までに胸椎椎間板ヘルニアは十数例ぐらいしか経験していません。
手術は、以前は、胸椎の側方から侵入してヘルニアを取り除く方法を行っていましたが、最近では顕微鏡を用いて後方からヘルニアを取り除く方法を行っています。この方法は体への負担はかなり少ない反面、脊髄損傷の可能性があるため、かなり手術に注意が必要です。
先月の2人も顕微鏡を用いて後方から脊髄を避けてヘルニアを取り除く方法で手術を行いました。
2人とも、術前は歩行困難となっていましたが、術後は、歩行状態も改善し、杖なしで歩ける程度にまで回復しております。