2014-10-13 日記

先週の脊椎手術6件:黄色靭帯内血腫など

 先週は6件の脊椎手術を行いました。

 

 その中でも70歳代の患者さんの手術所見にはびっくりさせられました。術前のMRIなどの画像診断では、第3/4腰椎間と第4/5腰椎間で顕著は脊柱管狭窄があり、ほとんど神経の走行を認めないほど著明な狭窄がありました。身体所見でも、脊柱管狭窄症の典型的な症状である、間欠性跛行を認めたことから、手術を行いました。

 しかし、実際手術を行ってみると、神経周囲に黒色の腫瘤がへばりついており、それが神経を著明に圧迫していました。その黒色の腫瘤はよく観察すると古い血液の塊であり、黄色靭帯という組織から過去に出血し、それが凝結して塊となって神経を圧迫していたと診断しました。黄色靭帯内血腫という病名です。

 

 このように術前の画像診断が実際手術をしてみると、異なる病態であったということが稀にあります。そういうときにも十分対応できるように、細心の注意を払い、様々な準備をして手術することが必要です。