2012-07-16 日記

先週の脊椎手術6件:椎間孔外狭窄など

 先週は6件の脊椎手術を行わせていただきました。腰部脊柱管狭窄症が4件と腰椎椎間孔外狭窄が1件、再発性腰椎椎間板ヘルニアが1件でした。

腰椎椎間孔外狭窄の患者さんは第4腰椎と第5腰椎の間で生じており、左第4腰神経が障害されていました。

 

 当初外来でこの患者さんは診察させて頂きMRI画像を拝見したときは、いわゆる第4/5腰椎間の脊柱管狭窄を呈していたため、これにより左第5腰神経障害が生じ下肢痛が出現したと判断し手術予約をさせて頂きました。しかし入院前に再度、丹念に診察をさせて頂き、神経学的所見をとると、どうも、左大腿部の筋萎縮もあり、またその部分のしびれ感もあることから、左第4腰神経障害があることが分かりました。とすると、第4/5腰椎間の一般的な腰部脊柱管狭窄では説明がつきません(この場合には通常は第5腰神経障害が生じます)。そこでMRIを注意深く見直しますと、左第4/5腰椎椎間孔部分で著しい狭窄が生じていることが分かりました。この場合ですと第4腰神経障害が生じることから、身体所見と合致することになります。診断は左第4/5腰椎椎間孔狭窄でした。

そこで手術は、左第4/5腰椎外側開窓術を行い、左第4腰神経を完全に除圧しました。

術後数日で、以前あった左下肢痛は消失したことから、患者さんは喜んでおられ、執刀した私もうれしい限りです。

やはり脊椎外科を行う医師は、どんなに忙しい外来であっても、丁寧にかつ細心の注意を払って診察することが重要であることを再認識させて頂きました。