2012-02-19 日記

腰椎変性すべり症と頸椎症性脊髄症の合併

 先週は4件の脊椎手術を行いました。

 
腰椎椎間板ヘルニアが2件、頸椎症性脊髄症が1件、腰椎骨化病変が1件でした。
 
そのなかで、頸椎症性脊髄症の患者さんは、下肢のしびれ感と歩行障害を訴えられて外来通院していました。下肢のしびれ感が強いこともあり、腰椎を精査すると、腰椎変性すべり症を認め、またMRI検査でも腰椎部分でかなり顕著な神経の圧迫を認めていたことから、腰椎病変が歩行障害の原因と判断し、腰椎固定術を計画して手術計画をすすめていました。
 
私は、手術予定日の約1週間前に手術を行う木島病院にて最終術前診察と手術説明、インフォームドコンセントの取得を行います。この患者さんも、手術5日前に木島病院にて最終診察を入念に行いまいした。すると診察所見から頸椎病変の合併が強く疑われることが分かりました。そこでさっそく頸椎のMRIを撮影すると、第4-6頸椎部分にて脊髄が著しく圧迫されていることが判明しました。この検査結果を踏まえると、現在の歩行障害は頸椎病変と腰椎病変の合併により、頸髄障害と馬尾神経障害を来しており、頸椎・腰椎両方の手術が必要と判断しました。
 
そこで今回は、頸椎病変である頸椎症性脊髄症に対して、第3頚椎から第7頸椎まで頸椎椎弓形成術を行いました。手術時間は2時間程度で全く問題なく手術を終了しました。今後、約3週間後に腰椎固定術を行う予定にしています。
 
このように、脊椎疾患は丁寧な問診と診察が必ず必要であり、忙しい外来時だけの診察ではやはり限界があることから、入院前・もしくは入院後に再度、最終術前診察を行うことの重要性を再認識しました。