昨日の午後は2件の脊椎手術がありました。
1件目の患者さんは、冒頭のタイトルにもあるように、第1/2腰椎で発生した腰椎椎間板ヘルニアで左下肢痛を来たした患者さんでした。腰椎は第1~5まで5つあり、それぞれの腰椎の間に椎間板があります。その中で椎間板ヘルニアになる頻度が高い椎間板は第4/5腰椎と第5腰椎/第1仙骨の椎間板です。逆に第1/2腰椎での椎間板ヘルニア発生はかなり珍しいと言えます。また第1/2腰椎など高位で椎間板ヘルニアが発生すると、下肢痛も強く、それも両方の下肢に疼痛が生じることが多くなります。この患者さんも両下肢に痛みがありました。
手術もやや難易度の高いものとなります。この部位は、神経が多くあることと、脊椎の関節の解剖学的特徴から内視鏡機器併用で手術を行うと、メリットよりデメリットの方が多いことから、顕微鏡のみを使用して手術を行いました。
手術は予想通り、椎間板ヘルニアが神経の真後ろ近くで、神経の膜(硬膜)に強く癒着し、なかなか摘出に難渋しました。しかし注意深く剥離を進めることにより、無事完全にヘルニア塊を摘出できました。
2件目は、左第4/5腰椎椎間板ヘルニアのために太ももの力が入りにくくなった患者さんでした。そのため階段の上り下りが困難となっていました。麻痺が進行していたことから、予約の順番を飛ばして早めの手術を行いました。