2011-12-04 最新医療情報

経皮的後弯矯正術:Balloon Kyphoplasy(バルーン椎体形成術)

 なかなか忙しくてブログが更新できませんでした。

 
 先週は、3件の脊椎手術を行いました。2件が腰部脊柱管狭窄症の患者さんで、もう一件が、骨粗しょう症による圧迫骨折で痛みが軽減していない患者さんに、以前紹介した、経皮的後弯矯正術(Balloon kyphoplasty, BKP)を行いました。
 
 ここでもう一度BKPをご紹介します。これは骨粗しょう症による脊椎圧迫骨折に対して、わずか数㎜の切開の左右の切開だけで、潰れた脊椎にセメントを注入する方法です。欧米では以前から、かなりの症例数が本術式を行われたおりましたが、日本ではようやく今年の冬から施行可能となりました。しかし本術式を行える医師は、脊椎外科指導医であって、かつトレーニングを受け認可を受けた医師のみであり、私は石川県で第一号に認可されました。
 
今回は第11胸椎圧迫骨折の患者さんに本術式を行いました。約45分程度で手術を終了しました。出血量は0mlで、絆創膏を2枚貼っておく程度で手術を終了しました。
 
術式のあらまし:
 
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背中から小さな風船付きの器具を挿入します。 椎体の中の風船を膨らませ、つぶれた骨を骨折前の形に戻します。 風船を抜くと、椎体内に空間ができます。空間を満たすようにセメントを充填します。 手術は1時間程度で終わり、骨セメントは手術中に固まります。

手術は手術室で全身麻酔下に行います。レントゲン透視装置で確認しながら、背中から管を「せぼね」内に進めます。そこに風船を挿入し(①)ふくらませることで、つぶれた骨を出来る限り復元します(②)。作られた空洞に専用の骨セメントを詰めます(③④)。手術の時間は通常1時間程度です。