先週の土曜日は、日帰り手術を6件、藤田クリニックにて行いました。
手根管症候群が2件、狭窄性腱鞘炎(ばね指)が2件、母趾の陥入爪が1件、伸筋腱断裂(腱性槌指)が1件でした。
伸筋腱断裂の患者さんは、指をぶつけて、指の先端の関節(DIP関節)が曲がったままで伸びなくなった状態になりました。この時点で至急整形外科に受診して欲しかったのですが、そのうち伸びるようになるだろう、と自己判断し放置していたそうです。しかし3週間経過しても全く伸びるようにならずに、心配になり当院を受診されました。レントゲンでは骨折は認めませんでしたが、指先は曲がったままで、伸筋腱断裂と診断しました。受傷後3週間も経過していたため、至急手術が必要と判断し、翌日に手術を行いました。
手術で伸筋腱を確認しますと、腱は指先の骨にくっつく部分で断裂し、しかも3週間も経過していたため短縮しており、断端の発見にてこずり、さらに元の位置に引き戻すのに一苦労しました。その後特殊な縫合糸を骨に打ち込んで伸筋腱と縫合しました。さらに細いワイヤーを用いて、ギプス替わりにしました。あとは腱がくっついてくれることを祈るばかりです。
このように、怪我は、速やかに整形外科に受診して頂かないと、その治療も一筋縄でいかないようになることがありますので、皆様もご留意の程、お願い申し上げます。