2012-09-17 脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症による便秘症

 先週は4件の脊椎手術がありました。腰椎変性すべり症に対する後方進入椎体間固定術(PLIF)が1例、施腰部脊柱管狭窄症に対する顕微鏡視下除圧術が1例、腰椎椎間板ヘルニア対する内視鏡併用腰椎椎間板ヘルニア摘出術が1例、同じく腰椎椎間板ヘルニア対する直視下ヘルニア摘出術が1例でした。

約3週間前に、両下肢が痺れて10mも連続して歩けない、という80歳後半の腰部脊柱管狭窄症の患者さんに顕微鏡視下除圧術を行いました。術後は、両下肢のしびれ感や痛みが著明に軽減し、かなり歩く距離も伸びて非常に喜んでおられました。

 

 そんな中、術後1週目ごろに早朝回診に伺うと、「先生、実は術前から、便秘症に悩まされていたのですが、術後から、不思議なことに、すっきり出るようになりました!!」と言ってまたまた喜んでおられました。

重度の腰部脊柱管狭窄症の患者さんには、おしっこが出にくいという排尿障害の症状を訴える患者さんが稀におられます。また教科書的には、排便障害も出現する、との記載はよく見られますが、排便障害にスポットライトを当てた報告はあまりありません。私自身も術前の診察で、排尿困難があるかどうかは注意していますが、排便障害があるかどうかにはあまり注意していませんでした。しかしこの患者さんのように、腰の神経が圧迫されて排便障害があることを、再認識させてもらいました。

 

 歩いていると両下肢や臀部が痺れて歩けなくなるような患者さんで、排尿困難や、慢性の便秘を自覚されている患者さんは、腰の神経が圧迫されている可能性がありますので、整形外科に受診されることを強くお勧めします。

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