腰部脊柱管狭窄症で下肢痛や下肢のしびれ感に悩む患者さんに、いつごろ手術を受けたらいいでしょうか?どうなったら手術を受けなくてはいけませんか?という質問をよく受けます。
この質問に関しては整形外科関連学会でよく議論がなされていますが、この議論の拠り所になる論文があります。その論文とは手術以外の治療を10年近くにわたりうけた患者さんの長期経過をまとめた論文です。それによると、両下肢のしびれ感が出現し、歩行により両臀部や会陰部にまでしびれ感や疼痛が増悪するような患者さんは、手術以外の治療法の継続では、10年後には症状がほぼ悪化しているという事実が報告されています。
したがって、症状が、片足でなく両足が痺れて、休み休みでないと臀部や会陰部が痺れて歩けない、といった症状が出現したら、手術が一番最適の治療であり、早期に手術を受けたほうがいいですよ、と説明しています。また機会があったら脊椎外科関連の情報を記載していこうと思っています。