2013-11-10 脊柱管狭窄症

脊椎固定術:お尻周囲の灼熱感

 前回のブログの更新から16件の脊椎手術を行いました。その内2件は脊椎固定術でした。

 

 70歳台女性の方は、以前から両下肢痛としびれ感に悩み、近医で投薬や注射・リハビリなどの治療をされていました。しかし最近、臀部から会陰部の灼熱感が増悪し歩行が困難な状況に陥ったことから、手術加療を勧められ当院を受診されました。受診時には連続歩行は困難であり、いわゆる間欠はこうを呈していました。この患者さんのように、両臀部から会陰部の灼熱感は馬尾神経障害と言われ、腰部脊柱管狭窄症の症状のなかで重症のものです。この症状が出現するともはや投薬や注射加療では改善の見込みは極めて低く、手術加療が必要となります。

 

 またレントゲン上でも第3/4腰椎間と第4/5腰椎間に著しい「ずれ」を認め、また非常に不安定な状態でした。そこでこの患者さんには2椎間の脊椎固定術(腰椎後方進入椎体間固定術)を施行しました。さらに第2/3腰椎椎間の除圧術も追加しました。

 

 手術は予定通り全く問題なく終了しました。術後から会陰部の灼熱感や重圧感は消失し、また歩行状態もかなり改善したことから、患者さんは非常に喜んでおられます。

 

 この患者さんのようにお尻周囲に灼熱感を感じるようになったら、早いうちに手術加療を考慮することが必要だと思います。

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